バレエオンラインレッスンで面白かったこと
自粛、休講と苦しいお知らせばかりでちょっとムードが重かったので、今回はライトな感じのコラムにしようかと思います。その結果、子供の頃の作文みたいなタイトルになってしまいました。平にご容赦ください!
バレエのオンラインレッスンの開講を始める以前
コロナ関連で通常レッスンができなくなる以前から、インターネット通信を利用してレッスンをすることを、ほーんの少しだけ想像していました。今ではコロナ一色ですが、数ヶ月前は次世代通信規格”5G”の話題が多く聞かれたので、バレエ界にもインターネットの波が押し寄せるのかな?と思案したことがあります。
5Gだとライブの映像とかも8視点ぐらいで配信できるそうで。ライブや観劇のあり方も変わる!!という話もありましたね。ただバレエを観るのに於いて立体感というのがものすごく大事で、立体造形としてのポーズの美しさとか、遠近感を持たせた演出構図の迫真性は 、二次元の画面で観てもあんまりよくわからないなと。3Dの映像とかもありますけどね。ハードウェアの性能的にもう一歩かなと。
音響についてもやはりハードウェアの制約が大きいですね。ハイレゾ音源の配信も可能でしょうが、その全帯域を再生できる家庭用オーディオ機器があるかどうかってのが問題ですね。ヘッドフォンなら低音高音は出せますけども、音は肌や体全体で振動として感じ取っていますから、生演奏には及ばないなー。というのが私見です。
加えて、「劇場」という空間が好きな人って多いと思うんですよ。開演前のワクワク感とか、ロビーで知り合いに会ったり。劇場自体に歴史や雰囲気ってあるので、そこを観劇の味わいに加えてるんですかね。例えるなら、ディズニーランドにバーチャルツアーで行って楽しいのかなと。
なのですぐにバレエ公演までもがオンラインになるということは考えていませんでした。
さて脱線しましたが、話をレッスンに戻しましょう。
オンラインレッスンを緊急事態宣言以前にしなかった理由はこんな感じです。
- 動くスペースがないのではという懸念
- 直接触って指導・修正ができない
- 画面越しに動きを正確に伝えられるか
- 直接対面でのレッスンが王道(イメージ)
オンラインレッスンを1ヶ月開講した後
1ヶ月間オンラインレッスンをやってみて、最初は多少戸惑うこともありましたが徐々に慣れてくるもので案外楽しくレッスンできています。
気付いたことは以下の通りです。
- 動くスペースがない分、基礎的な動きに集中できる
- 直接触れないなら、自分で触ってもらう
- 画面越しではラインは判別しやすいが、立体感が掴みづらい
- 遠方にお住まいの方でもレッスンが受けられる
- 個人レッスンがいい感じ
- スクリーンショット機能を使って即座に写真を本人と共有できる
一つずつ説明しますね!
1.動くスペースがない分、基礎的な動きに集中できる。
通常時のスタジオを使用してのレッスンでは、限られた時間の中でセンターレッスンまでやらなくてはならないので、プリエやタンデュなどに気になるところがあっても、どんどん進行してしまいます。もちろん念入りに修正すり日もありますが、毎日それではセンターのレッスンが出来ないままになってしまいますからね。
一方オンラインではセンターレッスンをやったとしてもアレグロまでがスペースと騒音の面で限界なので、バーレッスンに多く時間を割けるわけです。基礎レッスンにリソースを割ける分、むしろ以前よりも良くなっている方も多く見受けられます。
自粛生活で不便も多いですが、逆に得るものもある。転んでもただでは起きないぞ!という感じ。とても好きです!
2.直接さわれないなら、自分で触ってもらう
触ると言うことの本質的には場所の指定と動作の指定があります。場所に関しては言葉を尽くして説明すれば伝わりますし、それをどのように動かすかも、じっくり説明すれば、なんとか伝わりますね。もちろん土台となる知識がお互いにあっての話ですが。
その場所と動きがあっているかどうかはチェックが必要なので、ここら辺はスタジオでのレッスンが再開してから答え合わせをすることになると思います。オンラインだけで完結!っというのは無理そうです。
3.画面越しではラインは判別しやすいが、立体感が掴みづらい
ここはやはり画面という問題ですね。もちろんオンラインビデオの画質の問題もありますが。鎌足やO脚ラインの判別は平面化されているので”線”としてはっきり見えてきます。オンラインですとご自分の姿も画面表示出来ますから、見て直すのがやりやすいですね。
ですが、クロワゼや、エファッセの背中や頭の角度を伝えるのは結構難しいです。奥行き、高さ、ひねりを使うので画面では結果はわかるが、過程がわからないといった感じになります。
ここら辺もオンラインの苦手分野かと思います。
4.遠方にお住まいの方でもレッスンが受けられる
これはオンラインのメリットの最大のものかもしれません。小さなお子さんが2時間以上かけてスタジオにくるのは大変ですし、付き添われる親御さんのご都合もあります。大人の方でも、翌日の仕事のために帰りが遅くなりたくない方多いと思います。そう言った方でもオンラインならレッスンできるので、インターネットは文明の利器であるなぁ、としみじみ思います。
もちろんいつも通われているスクールでのレッスンは必要不可欠です。オンラインでは完結出来ませんし。オンラインでのレッスンでは課題解決に近付くエッセンスを渡すだけですので、あとはそれをスクールで練習して所属の先生に次の課題を頂くのが本筋です。
(超余談ですが、小学生のころ一人で遠くのスタジオに出稽古に行く途中、駅で電車を待っていた時のお話。遠くに電車が見えたので、ホームに出て待っていたら、その電車は通過する貨物列車でして、目の前を轟音とともに走り去られ、半泣きになったことがあります。)
5.個人レッスンがいい感じ
これもオンラインのじっくり時間をかけられる強みですね。通常の個人レッスンだと、スタジオ使用料がすべてお一人でのご負担になります。スクールでも自分一人だけでスタジオを使える時間はそうそう無いと思います。オンラインですと、自宅で出来ますからね。費用が抑えられます。
そして時間が自由なので、生徒さんの苦手や課題を相談しながらレッスンして行けるのがとても良いです。身体は人によってそれぞれ違いますので、結果としては同じことを直す場合でも、プロセスは人によって全然違います。昨年は200回くらい個人レッスンしましたが、誰一人として同じであったことは無いです。
その人の特性を把握して、指導する。カッチョいい感じになっちゃいましたけど、本当にそうだなと。
グループレッスンでも人それぞれに注意はしていますが、相談にまでは時間取れないものでして。グループレッスンはガンガン動いて身体能力あげて欲しいな!って思っています。
6.スクリーンショット機能を使って即座に写真を本人と共有できる
これもオンラインならではですね!
鏡で自分の姿をチェックする時って、無意識に一番綺麗なタイミングで見ています。それにいつも同じ視点になりますよね。でもレッスン中の画面をスクリーンショットすることでいつも気にしていないタイミングの姿や、違う角度からの姿が見えますから、発見がものすごく大きいです。
「え、自分こんな形になってたの。。。?」ってよく発表会のビデオをも見て落胆することがあると思いますが(私を含め)。あれをレッスンの時に出来ます。
生徒さんが動いているのをサクッとスクショして、ご自身に見てもらうと、大体みなさんビックリなさいますね。「”感覚”と”実際”の乖離」は割と簡単に起きてしまうので、こういった気付きはものすごく重要です。
修正してもう一度スクショして見てもらうと変化が見てわかるので、手応えも感じてもらいやすいです。
まとめ
オンラインレッスンだけでは完結しないけど、補助的な手段としてはかなり有効である!
世の中を取り巻く大きな流れはありますが、その中で工夫して少しでも”良い時間”の使い方が出来たら良いと思っております。
そして終わりに、
レッスン中にカメラの前に出てくる猫ちゃんたちが可愛すぎます(笑)
いつも癒されております!
みなさま、お体に気をつけてお過ごしください!!