意外と大事!はいはい系トレーニング

ブログなどによくある記事タイトルになってしまいましたが、普段ボーイズクラスで組み込んでいるウォーミングアップを紹介したいと思います!

簡単に思われがちなハイハイ系トレーニングですが、やってみると以外にしんどいです。そして、よくある体幹トレーニングの要素を秘めていることに気付かれると思います。

普段二足歩行ばかりの大人にも良いですし、「うちの子はバレエを習わせているから楽勝のはず!」なお子さま、親御様にもおすすめです。バレエの割にバレエっぽくないトレーニングなのですが、とても大事だと私は考えています。

第一の目的に転倒時の怪我予防、軽減があります。バレエの練習をしていれば転倒は付き物です。新しいテクニックの練習中や、空中での回転、トウシューズでの回転。舞台上で華麗に踊っているバレエダンサーたちも、子供の頃は何度も滑ったり転んだりしています。その時にうまく手をつけないと体を変な形で床に強打する羽目になります。近頃では腕力が足りないために、手を着いたのに顔まで地面にぶつける子どもも増えているそうです。はいはい系トレーニングは腕力の強化も兼ねています。

第二の目的に身体コーディネーションの強化です。重心移動と手足の動作をタイミングよく、かつリズミカルに継続しないと、はいはいは出来ません。自分の四肢がいまどこにあるのか把握し、一方の手と脚が重心を預かっている間に、もう一方の手と脚を動かして、次に自分の重心が移せる位置に、予想してコントロールしなければいけません。これが下手ですと、自分の手に脚をぶつけてしまうとか、途中で倒れてしまうとか、左右全く違う動作でめちゃくちゃになってしまうとか、さっぱり移動出来ないとか、そういったことになってしまいます。

第三の目的に体幹の筋力強化と動的柔軟性の獲得です。はいはいの中間動作は、体幹トレーニングに共通する体勢を含んでいます。かつ固めて保つのではなく、動きの中で体勢を保つ練習になるので、実際の動作に役立ちます。

第四の目的に、コンテンポラリーダンスへの準備です。昨今のバレエ界はバレエダンサーにコンテンポラリーダンスも踊れることを求めています。コンテンポラリーには床での動作が多く含まれています。いまのうちに床で身体を操ることに親しんでおくことは非常に重要です。

さて、前置きが長くなりました。具体的な説明に入ります!

1.お尻歩き

左右の坐骨を交互に上げながら、体幹のひねりを利用して歩いていきます。ポイントは左坐骨に乗って歩く時と、右坐骨に乗って歩く時とが、同じ移動幅になっていることです。どちらかへの重心移動を苦手としている場合が多いです。左右同じ動きが出来るようにしたいですね!

前方への進行ができたら、後ろ歩きも行います。

2.高はい(膝上げ)

はいはいの膝が床につかないバージョンです。足の指裏が床に接地します。まずはゆっくり行いますが、余裕であれば素早く行っても良いでしょうし、床すれすれまで低くなったり、なるべく高くしてみたりと、バリエーションは豊富に考え得ます。

これも前方への進行が出来たら、後ろ歩きも行います。

お子さんですと、リズムよく継続することに苦戦する場合が多いです。適切なスピードや、リピート時のタイミングのズレなどを無意識的に調節する訓練になります。

3.背ばい(腰上げ)

仰向けの状態でのはいはいです。お尻は地面から浮かせます。この時点でお尻を床から上げられない場合も散見されます。

これも前方への進行が出来たら、後ろ歩きも行います。

4.高はい→背ばい→高はい→背ばい…….(繰り返し)

これはかなり高難度です。筋力が足りないと感じる時は無理に行わないでください。

高はいをスタートポジションとして、体を右に半回転させながら、背ばい(腰上げ)のポジションになります。そこからさらに右に半回転させて高はいのポジションになります。以後これを繰り返して移動していきます。

右回転での移動ができたら、左回転でも行います。

※体勢が斜めや横向きの状態で身体を支える筋力や、関節に無理がない方向に腕や脚を出す必要がある応用的なトレーニングです。絶対に無理に行わないでください。

おわりに

以上がウォーミングアップで行っている、はいはい系トレーニングです。

バレエは高度に組み合わされた応用的な動作の集合体です。今一度、はいはいというシンプルな動作に立ち返ってみて、自分の体の弱いところや、クセを見つけてみるのはいかがでしょうか。

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